20250128le 愛着と子どもの発達(課題7)

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課題7

7)愛着の定義と,4 段階にわたる愛着の発達過程を説明しなさい。愛着が形成されることはその後の子どもの対人関係のとり方にどのような影響を与えるのか,反対に愛着が形成されないことはその後の子どもの発達にどう影響するのか,それぞれ述べなさい。

回答7

愛着の定義とは、ある特定の人間もしくは動物と他の特定の人間もしくは動物との間に形成される持続的な情緒的な絆でのことある。

4段階にわたる愛着形成の発達過程とは、(藤生、1991)によると1段階目は誕生から生後8〜12週の「前愛着」で、養育者と他の区別がつかない誰にしたいしても興味を示し微笑みかける。2段階目は〜生後3〜6ヶ月の「愛着形成」で身近な人にのみ親しみを表す(人見知り)、3段階目は〜2,3歳の「明確な愛着」で養育者を環境探索の基地とする、離れるといやという意思表示をする。4段階目は2、3歳〜「目標修正的協調関係」で養育者の目標・感情・視点の理解をする、という4段階の過程を経る。

愛着が形成されているとその後の友人関係など家庭を離れた集団生活で対人関係が健全に発達する。他人と自身を比べることによって自我が発達し、しつけによる自己を抑制する力と欲求とのバランスをとるなど葛藤を乗り越える自律性の獲得、思いやりの発達などで対人関係も問題なくなる。

一方で母性剥奪といい母親など養育者からの愛情を受ける機会を奪われると心身の発達や人格の発達に障害が生じると言われている。気質因と環境因がある心理的問題では愛着関係が不安定だった子どもは3,4歳過ぎても分離不安がみられるなどの問題が見られる。


欄外

1段階目は「分化期」という養育者のみへ特別な絆(愛着)の形成時期である。2段階目の「練習期」はハイハイや歩行ができるようになり養育者からの分離が可能になり養育者の情緒的な反応をよりどころに自律的な探索を行う。3段階目は「最接近期」といい養育者からの分離意識と自己主張が芽生えてくる。分離不安といわれる養育者の情緒的な応答を強く求める時期である。4段階目は「個体化期」といって自己表象と対象表象が形成され養育者の分離に耐えられる。養育者が不在でも愛着の対象として養育者が永続性をもつ、「情緒的対象恒常性」が達成される時期である。


  • @マークは筆者個人
  • FirstDrafts:2025.2.11
  • Update:2025.05.14 Now:21:17