マルセルデュシャンと日本美術
快慶定慶展と併設。抽象画とオブジェ。 2018.10.26訪
Marcel Duchamp
ダダイズムの人
「マルセルデュシャンと日本美術」 2018.10.2-12.9 東京国立博物館
1887-1968 フランスに生まれ。晩年になってアメリカに帰化した
3兄弟3姉妹で次男のデュシャンヴィヨンという人は夭折してしまったが彫刻家として才能のある人で、一時はキュビズム芸術家として特別な存在だったらしい
兄たちに影響を受けたデュシャン自身はパリで、まず印象派などの絵画を学んだ後、キュビズムに影響を受けて作った作品「階段を降りる裸体No.2」がスキャンダラス?でアメリカで彼を一躍有名にした。その後、絵画を否定、便器にサインだけして出品したが拒否されたり、既製品をそのまま出品して「レデイメイド」と称して発表。伝統的に芸術品はオリジナルの原本が一番価値があると考えられている、それを否定したところに「レデイメイド」があるというのだ
しかしこの日常品を使った活動、作品が、戦後アメリカのポップアート源流になっているそうだ
どうも、この記事を書いていても気持ちが乗ってこない。同調するところがあまり無いからだと思う。自転車の車輪を作品だといって見せられて、何を感じろと言うんだろう
有名な「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁。さえも(通称。大ガラス)」、これを制作放棄した後、芸術活動自体を否定してチェスに興じた。芸術活動の否定は死に際に覆されたのだが
器には入りきらない人?
既成概念を否定していったところに、自分のスタイル、存在意義を表した人で、そのどこまでが芸術活動なのか私は理解できない。でも絵画自体はその迫力と存在感に圧倒される。衝撃的ではあるけど、いい作品が多いと思います
そもそも画家としてのみ生きることでは飽き足らない。既成の芸術には無いものを生涯追い求めた?人なんだろうと思う。ということで私としての心に何とか納まる人でした。しかし本人が醸し出す雰囲気もそうだけど、作品からも何とも言えないおしゃれなセンスを感じたのは事実です
快慶定慶のみほとけ
「京都大報恩寺 快慶定慶のみほとけ」東京国立博物館平成館2018.10.2-12.9
見所はまず、快慶の「十大弟子立像」釈迦如来の十人の弟子たちです。人間味あふれる顔や表情に、誰でも親近感が湧いてくること請け合いです。モデルがいるに違いない。特に須菩提立像や羅睺羅立像などの歯を見せての豊かな表情は説法しているのだろうか。独り言を言っているのか、また悔しがっているのか怒っているのか。とにかく頑固そうなのは間違いない。面白いのは弟子それぞれに得意分野があることです。パンフレットを見ると「基本に忠実に戒律を守ることが重要です」「清貧を貫いて日々修行に励みました」などなど。「どのような人でも説得して見せましょう」このような人が周りにいたら頼りになります。さらに「いざと言うときは超能力が使えます」ですって?
もう一つの見所は定慶の壮麗で美しい六観音菩薩像
肥後定慶の聖観音(筆者撮影)。定慶は何人もいると言うことを初めて知りました。これは肥後定慶の作です。写真を撮影させていただけたのは、この一体のみですが美しい佇まいと優しいながらも修行を積んでいる最中なのか厳しさも見える表情のお顔。衣はシンプルで、身につけている装飾品も少ない質素なお姿。その圧倒される存在感は感動的でした
定慶についてWikipediaからの引用しておきます
定慶(じょうけい)
- 定慶(生没年未詳)は、鎌倉時代の僧。明王院の開山
- 大仏師法師定慶(生没年未詳)は、鎌倉時代前期の慶派仏師。興福寺東金堂の維摩居士像、梵天像、帝釈天像などの造像を担当
- 肥後法眼定慶(生没年未詳)は、鎌倉時代中期の慶派仏師。大報恩寺の准胝観音菩薩像、鞍馬寺の聖観音菩薩像などを像造
- 越前法橋定慶(生没年未詳)は、鎌倉時代後期の慶派仏師。確実な現存作品は確認できない。法隆寺の諸仏修理に参加したことが文献資料などから知られる
- 筒井定慶(生没年未詳)は、戦国時代から江戸時代にかけての大名、武将
- First Drafts:2018.10.28
- Update:2025.05.14 Now:20:55